薬事法上、要指示薬が含まれており☆通販による販売は行っていません。
①検便 「犬、猫」 腸の寄生虫の検査
直接塗沫、集卵法、
②予防注射「犬、猫」 ウイルス感染から守るために
Ⅰ混合ワクチン
「猫」 3種、 5種
「犬」 3種 5種 6種、7種、9種
Ⅱ狂犬病予防不活化ワクチン「犬」
☆コアワクチンとは広い範囲で日常的に感染する可能性が高いもの
犬の5種 猫の3種
☆ノンコアワクチンは地域性があったり感染する危険が低いもの
犬のレプトスピラワクチン、猫の白血病ワクチンなど
③犬フィラリアの予防 蚊が媒介する心臓に寄生する寄生虫から守る
(日本の風土病につき無防備では感染率が30%を超えます。)
「犬」
(予防方法)
a 感染していない犬に投薬する場合
予防薬
Ⅰ内服 感染していない犬には安全な薬です。
ミルベマイシン 0.25mg/kg(250μg/kg)以上、
イベルメクチン 6μg/kg以上、例パナメクチン、ハートメクチン等
モキシデクチン 2μg/kg以上 例モクシデック、モキシハートタブ
☆単位についてμg/kgは犬の体重1kgにあたりの投与量
μg=1/1000mg=1/1000000g。
感染開始(5月15日)の1ヶ月後から感染終了(11月1日)の1ヶ月後まで1ヶ月に1回内服 (富山県の内服の投薬期間は 6月から11月下旬まで)
Ⅱ注射(当院では使用しません。)
プロハート12(注射液)12ヶ月に1回皮下注射
※当院では使用していません。
Ⅲ 皮膚に滴下するスポット製剤
レボリュション。 アドバンテージハート
当院では、犬のフィラリア予防には使用していません。
(理由は滴下には飼い主様自身の個人差があり確実に皮膚に滴下できたのかを確認できないため。 )
(治療)
b感染が確認されているが、症状が出ていない場合。
モキシデクチン 2μg/kg
c感染が確認されて、症状が出ている場合。
症状が現れているフィラリアの治療は運任せであり定型的なものはありません。治療は予防に比べて多くの時間と、お金がかかりことが多い上、必ずしも良い結果になるとは限りません。駆虫して便に混じって虫がでてくることはありません。
フィラリア(糸状虫)成虫の駆虫
開設当初、トリメラルサンという、砒素製剤を使用しました。砒素の毒性もさることながら、心臓内の糸状虫が死滅することによって肺動脈栓塞、大静脈症候群の可能性があります。死滅した虫体が心臓から肺に流れていき動脈を栓塞した結果危険な状態になることがあります。これは虫体の数、栓塞した部位、犬の大きさに左右されます。
虫の数が多くて薬が効けば外科手術の必要性も出てきます。
現在では、当院では同等のイミサイト注射液(砒素剤)は、使用していません。
外科手術 (省略)
その他 利尿剤等による症状の緩和、延命処置
④ノミ、ダニの駆除
フロントラインスプレー (犬、猫)外用薬 1ヶ月間の効果
フィプロプポット (犬、猫)外用薬 1ヶ月間の効果
※シンパリカ錠 犬専用 内服で1ヶ月間の効果
※ネクスガードスペクトラチュアブル、シンパリカトリオ錠
フィラリア、回虫、コウチュウ、
犬の毛包虫(アカルス)ヒゼンダニ マダニに効果がある。
犬専用 内服で1ヶ月間の効果
⑤ノミ、ミミヒゼンダニの駆除、フィラリア予防、回虫(猫)の駆除
レボリューション(犬、猫)外用薬 1ヶ月間の効果
犬、猫を飼い始めたら、まずは検便をお勧めします。ヒトの世界では少なくなったようですが、ペットの世界では、しばしば、腸内寄生虫がいます。 腸の寄生虫は、食欲不振、下痢、だけではなく貧血、テンカンなどの原因になることがあります。
ヒトの小指の大きさの大便をビニール袋やアルミ箔に包んでお持ちください。水を吸収する紙に包まないでください。当日または前日の便を持ってきてください。
結果は、はがきで連絡します。飽和食塩水集卵法で関動物病院内で検査します。
健康のために検便をお勧めします。検便料金は1000円(税別)です。
寄生虫は卵を排泄する周期があり検査で見つからない時期があります。
*駆虫薬は内服や注射、皮膚に滴下するスポット製剤がありますが、一薬剤だけで全ての腸内寄生虫を駆除できる薬剤はありません。
重要な寄生虫の中には駆虫薬は内服薬しかありません。重症化して嘔吐があると駆虫できなくなることがあります。
元気だから、ペットショップで購入したからなど、寄生虫はいないだろうと思われがちですが、寄生虫は健康な時には、症状がありません。しかし他に感染症やストレスが合併すると重症化することがあります。健康なうちに駆虫することをお勧めします。
販売店は掃除がゆき届いているかもしれませんが、繁殖場は不衛生なところもあるようです。
お店で購入後のワクチン注射は、14日以上経ち、環境に慣れてからの注射をお勧めします。生活の変化は体調を崩すことも少なくありません。
購入以前に感染し潜伏期であることもあります。
料金(問診、聴診、視診の診察料込)
注射料金、犬 5種、6種混合ワクチンともに4000円(税別)
猫 3種混合ワクチン3500円(税別)
☆使用ワクチンは下記の画像にあります業界大手の輸入ワクチンを使用しております。
注射済票,鑑札の代金は、公金の預り金になります。消費税は、課税されません。
注射料金は、売上金扱いになり消費税の課税対象となります。
飼い主様からは事務手数料は、いただいていませんので、飼い主様自身が富山保健所へ行かれて、事務手続きされても料金の差はありません。
当院では、狂犬病ワクチン使用説明書に従がい、混合ワクチンとの同時接種はしません。
愛犬の健康を考え,日を改めて来ていただくようにお願いしています。
注射当日のフィラリア予防薬の投与とノミ、ダニ駆除も控えてください。
それは、万一、それによってあなたの愛犬が、不調をきたした場合に原因を特定できなくなるからです。
「先生、何度も来るのは、めんどうだから いっしょにしといて」と時々、希望されますが
特に法律に基づく狂犬病予防事業はマニュアルを厳守すべきと考えます。
「狂犬病ワクチン使用説明書より抜粋」
3.相互作用
(1)本剤には他の薬剤(ワクチン)を加えて使用しないこと。
(2)本剤と他のワクチンとの同時投与は避けること。本剤注射前に他のワクチンを投与している場合には、生ワクチンにあっては1か月以上、不活化ワクチンにあっては1週間以上の間隔をあけること。なお、本剤注射後他のワクチンを投与する場合には、1週間以上の間隔をあけること。
フィラリア血液検査は、採血なので予防注射との相互作用は全くありません。狂犬病注射時にフィラリア検査は可能です。
お薦めのサイト http://filaria.jp/html/hdu/
(感染開始=投薬開始ではありません。)
フィラリアの感染期間は気温をもとづくHDUという考え方で予想します。過去のデーターによれば、富山県は過去に一番早くて5月15日から一番遅くて11月1日までが感染期間となっています。(九州は長く北海道は短い)
この期間を感染予測期間になりますが、投薬期間は、フィラリア予防薬(イベルメクチン、ミルベマイシン、モキシデック錠)は、1ヶ月遅れて飲ませるので6月15日から12月1日になります。1ヶ月(約30日)に1回のませることになります。実際には薬の効果には余裕があるので10日くらいの遅れは神経質になる必要はありません。6月から11月下旬まで1月に1回、飲ませることになります。
内服のフィラリア予防薬は1ヶ月間体内に残留して効果を発揮するのではありません。健康な犬では、薬は飲んでから2時間で最高血液濃度になり以後、数日で体外へ排泄されます。それ故、毎月予防薬をモキシデックやミルベマイシン、イベルメクチンと変えても問題ありません。妊娠中の犬でも安心です。
犬心臓糸状虫 (フィラリア)は、その蚊の体内、犬の体内の寄生場所、成長段階でL1~L5などと分類されています。
身近にいるフィラリアに感染した犬の血液を吸血して2週間経過すると蚊の唾液にはフィラリアL3がいます。この状態の蚊に吸血されることで感染します。犬に感染した直後のフィラリアは、L3という段階の仔虫で、これには予防薬は効果がありません。実験的には、約2週間で脱皮してL4仔虫に成長します。
予防薬は蚊が刺して犬の体内に侵入した段階のL4第四期仔虫(侵入して2週間から約60日)のフィラリアを駆虫することで予防します。L4の段階だけ、駆虫できます。その後のL5に成長してしまうと駆虫できません。
例えば11月1日に蚊に刺されて感染したものは1ヶ月後(正確には2週間から60日後)の11月中旬から12月の投薬で退治します。(11月2日に飲ませても11月1日に侵入したフィラリアは駆虫できません。)
5月に刺され侵入したフィラリアは、1ヶ月後の6月の投薬で駆虫(予防)します。
5月上旬に飲ませた場合は、投薬練習にしかなりません。5月上旬の投薬はフィラリア予防には全く貢献しません。
冬にいる蚊は感染源にはなりません。
2ヶ月間隔で投薬すると予防できない期間ができます。理論上は、45日間隔が限界になります。7月中旬、8月下旬、10月中旬、11月下旬の4回の投薬で予防できることになりますが、あくまでも理論上のことで、データーがありません。気候の変化による虫の成長期間のばらつきがあった場合などの45日間隔での投薬は100%効果があるという信頼できるデーターがありません。お勧めできません。また45日目に投薬して嘔吐したらどうするのでしょうか。
ジステンパーなどの予防注射は免疫が急激になくなることはありませんが、フィラリアは免疫による予防ではないので例えば10年間毎年予防しても、翌年に予防しない場合は感染する可能性があります。
フィラリア予防薬は土の中のいる、ある種の細菌(放線菌)が出す物質に、フィラリア予防効果があることが発見されました。これの成分を分析、合成したものでマクロライド系抗生物質です。
当院では、血液検査でフィラリア陽性(既にかかっている)場合は、症状がない場合は上記のモキシデック(モキシデクチン)を使用しています。これ以上フィラリアが増えないように6月~11月まで月に1回の予防をお勧めしています。寄生している成虫の数が少く、心臓、肺の成虫の寿命(4から6年)が来ますと検査は陰性なります。モキシデクチンのフィラリア予防量2ug/kgでは、心臓、肺のフィラリアの成虫にほとんど作用しませんので当院ではフィラリアに感染している犬に使用しています。
私たち獣医師が扱うノミ駆除製剤は動物の治療用としての薬剤です。
外用薬
写真の商品は、動物病院の専売品です。ノミを駆虫します。使用方法を守れば、大変、よく効きます。
ノミに薬に対する耐性があって効果がない場合は成分の違うものを選ぶことができます。
20年ほど前までは有機リン系という殺虫剤が成分でしたころは中毒をおこす犬、猫がいましたが現在では、成分が変わり、大変安全になりました。
〇主成分 セラメクチン
商品名 レボリューション(猫用)
猫のノミ、腸内の回虫、耳ヒゼンダニ、フィラリア予防に効果があります。
ノミ駆除には2日ほどかかります。効果は1ヶ月続きます。
〇主成分 フィプロニル(犬、猫用)
商品名 フロントライン、マイフリーガード、フィプロスポット
ノミ、マダニに効果があります。
ノミ駆除には2日ほどかかります。効果は1ヶ月続きます。
成分のフィプロニルは節足動物、昆虫、の神経だけに作用し哺乳類には害はありません。それ故、農産物用殺虫剤(農薬)にも使用されています。
プロントラインスプレーはフィプロニルをイソピルアルコールで希釈したもので、即効性です。経済的で多頭飼育にはおすすめです。
効果は1ヶ月続きます。
ホームセンター、薬局、ペットショップでは、これと形だけが似たノミとり(ノミよけ)剤がが販売されていますが薬の成分が全く違います。
動物病院の薬がこれらの商品と違うか説明するのに大変苦労します。
新しい成分の内服薬(犬用)
シンパリカ、ネクスガードも登場し、当院では情報を集めていましたが特に問題となることはありませんでした。
シンパリカとシンパリカトリオ
ネクスガードとネクスガードスペクトラ紛らわしいですが同じものではありません。